ベトナムでドラゴンフルーツ管理システムにブロックチェーン技術を初導入

2018.10.16

 

ドラゴンフルーツ輸出のベトナム企業2社

輸入先のニーズに応じて、原産管理強化のためにブロックチェーン技術を導入

 ブロックチェーンといえば仮想通貨のイメージが一般的ですが、ブロックチェーン技術は仮想通貨以外にも様々な業界で用いられています。
 ベトナムの農業ではドラゴンフルーツ輸出企業「株式会社 Hoang Phat Fruit」と「ヤサカ果物加工株式会社」の2社が原産情報追及・管理を強化するため、ベトナムとオーストラリアの両政府とアジア基金が展開した「APEC Connect」という協力プログラムで初めてブロックチェーン技術を導入しました。


※ドラゴンフルーツのブロックチェーン管理動画

 同プログラムのおかげで、原産地証明・管理の条件を満たす事が出来、9年間に及ぶ努力を経てベトナム産ドラゴンフルーツが2017年9月からようやく食品衛生規定の厳しいオーストラリア市場へ進出できるようになりました。

ベトナムの農産物にとって、これは大変目覚ましい進歩だと各方面から認められています。同プログラムで開発されたブロックチェーン技術はオーストラリアのみならず、世界中のより厳しい市場にもベトナムドラゴンフルーツ輸出範囲を拡大できる、と期待されています。

 在ベトナムアジア基金のFilip Graovac副代表によると、ブロックチェーン技術は実用性が高くファイナンス、教育、そして、選挙工程をわかりやすくコントロールする目的にも活用されているそうです。農業は既に世界中に事例が多く、運用しやすく継続性も高い手段だと評価されています。

ここで使用されるブロックチェーンは農園から消費者まで、全ての農産工程データを管理出来るようにしました。原産元の生産に関わる全ての情報が確認可能になります。各農産物は投入供給、生産、収穫、加工、流通、消費の一連の活動から形成されるからです。サプライチェーンからの各記録はブロックチェーンによって記録され、この情報は後から変更・更新はできないため、製品原産の明確性と信頼性を向上させる事ができます。

在ベトナム・オーストラリア大使館のRobin Bednall一等書記官は、オーストラリアのような食品にこだわった市場では有機農法、フェアトレード、トレーサビリティ(生産段階から最終消費まで追跡可能な状態)など付加価値のある農産物に非常に関心を持っている、と発言しています。

 ブロックチェーン技術は上記の基準を満たす事が可能な為、一度適用されればオーストラリアのように基準が高く要求も厳しい市場へ進出するのが容易になります。

今までは「ベトナム産」といった文字だけで、その農産物がどこの農園でどんな農法・基準でどうのように育てられたか、収穫方法、輸送方法などのイメージを完全に伝える事ができませんでした。しかしブロックチェーン技術が運用される事により、その情報へ簡単にアクセスできるように、そして消費者は初めて見た「ベトナム産」でも安心して買い物をする事が出来ます。例えば、ベトナムからオーストラリアまでの運送方法、運送時間は農産物への新鮮度にも影響しますが、その情報を確認したうえで、購買活動を決定付ける事も可能になるという事です。

Ethitrade International (同プログラムのオーストラリア政府の代表としてブロックチェーン技術を提供した企業)のZoe Piper代表によると、ブロックチェーン技術がグローバルビジネスを新しいソリューションへ導くことは明確とのこと。ブロックチェーン化された各農産工程のデータを各工程ごとにデータ取集・分析が出来るため、企業側にとっても各工程のメリット、デメリットを容易に把握し、改善・管理できます。

今後もベトナムでは農業を始め、ブロックチェーン技術運用がますます普及すると期待されています。農業総生産量3割が輸出向けであるベトナムでは、ブロックチェーン技術で品質の高い「ベトナム産」をさらに幅広く世界中に届け、高付加価値になっていくだろうと期待されています。


 

最新コラム

一覧を見る